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戦国ラブドール
第9章 犯す女
体中の力が抜けて、二人は重なり合ったまま荒い息を漏らす。余韻の残る体は熱く、離れがたい心地良さだった。
「……孫、六?」
すると、ようやく香の効き目が消えたのか、大海がまともな言葉を発する。孫六は名残惜しみながら自身を引き抜くと、大海に着物を渡した。
「あたし……え? ちょっと待って……これ、夢?」
「夢じゃない。先に言っておくが、死んで浄土に行った訳でもない。現実だ」
愛液と精液にまみれ、裸になった自分と孫六。記憶を辿れば、ぼんやりだが大海は自分の所業を思い出した。その途端、上気していた顔は青ざめる。孫六が言葉を続ける間もなく、大海は土下座し頭を床に擦り付けた。
「申し訳ない……! あたし、なんて真似を……っ!!」
助けに来てくれた相手を襲うなど、不義理も不義理である。ましてや、相手は自分より小柄な少年。無理矢理犯される辛さは大海自身がよく知っているのに、全く同じ事をしてしまったのだ。頭に過ぎるのは、切腹の二文字だった。
「別にいい。これは、事故だ」
「いや、あたしが悪い! 刀を貸してくれ、今すぐ責任を取って切腹を――」