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戦国ラブドール
第9章 犯す女
「だから気にするなと言っている。おかしな香があっただろう。あれを嗅いでいると、妙な気分になり思考が低下した。悪いものがあるならば、お前ではなくあの香が悪いのだ」
「でも!」
「私もあれを吸って、おかしくなっていた。考えてみろ、いくらお前の方が大柄とはいえ、私は女を拒めない程非力ではない。私はお前に襲われたのではない、香にやられたのだ。いいか、分かったなら、切腹だなんて馬鹿な事を言い出すのをやめろ」
「ご、ごめん……」
顔を上げた大海は、罪悪と羞恥で涙ぐみ頬を赤くしている。自ら腰を振り放蕩に耽っていた姿とは違うが、その表情は男の心をくすぐる。大分空気は清浄に戻ったはずが、孫六の胸の奥が騒ぐ。慌てて目を逸らし、欲を誤魔化した。
「さっきの男は……市松達が追いかけていた盗賊共の仲間だな。出来れば一人でも捕まえておきたかったんだが」
「あいつら、薬に詳しいみたいだった。あの香とか、その他に使われた変な薬も、頭の男が自分で作ったって話していたよ」
「頭とは、一人だけ頭巾を被っていなかった赤毛の男か? 私を目潰しした者も、妙な粉を使っていた」