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戦国ラブドール
第9章 犯す女
「いや、あたしはてっきり小夜と同じか、それより少し下かと思ってたから……」
「私はもう十五だ、子どもじゃない!」
孫六の歳にも驚かされたが、この中でも高虎に次いで大きい虎之助が十六である事も、大海にとっては衝撃だった。大海は十七、しかし虎之助は自分より年上だとばかり思っていたのだ。
「どいつもこいつも、どうして私を稚児扱いするんだ、失礼極まりない」
孫六は納得がいかず愚痴をこぼすが、原因は明らかに童顔と身長である。とはいえ大海はいたたまれず、謝るしかなかった。
「ごめん……」
不毛な空気が流れると、高虎が手を叩き皆を黙らせる。
「年齢の話はともかく、今は『紅天狗』だ。それと、市松」
名前を呼ばれると、市松は大きな体を縮こませた。今回は、一体誰が悪いのか。刺さる視線を感じるたび、市松はしょげていた。
「なんで盗賊捜索に、女を引っ張っていったんだ」
「いや、それは……その場の勢いで、つい」
「向こうは罪人なんだぞ、男だって危険なのに、勢いで女を連れていくなんて頭が沸いているだろう」
「だって、こいつなら大丈夫だと思ったんですよ! ほら、薙刀振り回して、ばったばったと悪漢を千切っては投げ千切っては投げ……みたいな」