この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
戦国ラブドール
第9章 犯す女
あまりに幼い市松の発想に、高虎は怒るより呆れて肩を落としてしまう。
「お前、馬鹿だろ……」
その言葉尻に乗り、行長と吉継も市松を責めた。
「うん、馬鹿だね」
「ど阿呆です」
憎い近江組の二人に罵られても、今回ばかりは市松も返せない。拳を震わせながらも、ただうつむくだけだった。
「それと、追放云々の話だが……町中にあの面倒な連中がうろついている以上、それを退治しなければ危険だ。まずは奴らを退治してから、もう一度考える事にする」
「え、じゃああたし達は……」
「お前も、いつ盗賊が出るか分からない道を、妹に歩かせたくないだろう?」
そう言われてしまえば、大海は頷くしかない。
「なら、決まりだ。『紅天狗』を退治するまでは、今まで通りここで侍女として働いてくれ。ああ、ただ……俺の側女になりたくなったら、いつ声を掛けてもらっても構わないぞ」
高虎はそう言ってその場を締め、姉妹を屋敷へ帰らせる。この先の盗賊退治は、町の治安を請け負う武士の仕事である。これ以上、二人を巻き込む訳にはいかなかった。