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戦国ラブドール
第10章 市松の暴走
遠くで聞こえる、雀の鳴き声。市松は目覚めると、大あくびしながら上半身を起こす。
「ふわあぁ……眠みぃ」
目に入るのは、いつも通りの自分の部屋。やけに体がだるく、市松は二度寝しようとかいまきを手に取る。
「……ん?」
その時気付いたのは、小さな寝息。そして寒いはずなのに、やけに暖かい右側。市松が隣に目を向けると、何も身に着けず眠る大海の姿があった。
「っ……な、なんだ、どうしたんだよお前っ!!」
大海は裸の上に、長いはずの髪の毛もばっさりと短くなっている。市松は慌てて大海を揺さぶると、大声でうろたえた。
「なんで髪切ったんだ!? まさか、俺がやったのか!?」
「ん……うるさい、なんだい、朝っぱらから……」
「というか、なんでお前俺ん家にいるんだよ!? 何があったんだ!?」
市松の狼狽振りに、大海は首を傾げる。外は寒いと大海を連れてきたのは、市松自身なのだ。
「あんた……まさか、何にも覚えてないのかい?」
「やっぱり、俺なんかやったのか!?」
市松はたちまち青ざめ、大海へ手を合わせ頭を下げる。