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戦国ラブドール
第12章 月の掛け橋
次の日、昼の仕事が一段落した大海の元に、小夜がやってくる。いつもより生き生きした瞳で語るのは、半兵衛の話だった。
「ねぇお姉ちゃん、今から半兵衛さんのところ行こう! 夕方の仕事まで、時間あるよね?」
昨日約束していた事に間違いはないが、大海はその名前に心臓が跳ねる。昼とはまるで違う、威圧感のある半兵衛の姿。それは大海を及び腰にした。
「あ、あたしは……いいよ。小夜、あんた一人で行ってきな」
すると小夜は頬を真っ赤にし手で覆い、とろけた表情を浮かべる。友達、ともまた違うその態度に、大海は気が気でなかった。
「一人でなんて、昨日の今日で無理だよ! お願いお姉ちゃん、一緒に来て!」
「昨日の今日?」
「え、あ……ううん、気にしないで。ねぇ、お姉ちゃんだって半兵衛さん心配でしょ?」
「それは、まあ、心配なような、そうでないような……小夜、あんた半兵衛殿に惚れたのかい? そんなに赤くなっちまって」
「う、うん……だって、半兵衛さん、優しいし大人だし、乱暴じゃないし、それでいて強引なところもあって……その、素敵でしょ?」