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戦国ラブドール
第16章 眠れぬ夜は
「なんだよ、泣いてるからよっぽど酷いのかと思ったら、大丈夫じゃねぇか」
「違っ……本当に痛いんだって」
「じゃあ、ここはなんで喜んで俺を離さないんだよ」
「ああっ!」
市松が突き上げれば、大海は涙をこぼしながら腰を揺らす。否定するのは、横に振る首だけだった。
「本当に……何これ、痛、いのに……ん、いいっ……」
大海の体を突き抜ける痛みは、確かに本物である。市松は、丹念に慣らして初めて受け入れられるものなのだ。だが、体の奥に走る痛みすら、甘い痺れとなって指先まで広がる。全てを淫欲に変えようとする自分に、大海は動揺を隠せなかった。
「いいなら文句はないだろ。俺だって……我慢出来ねぇよ」
市松が抽挿を始めれば、痛みも快楽も大波のように押し寄せ思考が吹き飛ぶ。口から出るのは、言葉にもならない喘ぎだけだった。
心に走る痛みも、この時だけは大波に飲まれて消えていく。我に帰るのが恐ろしくて、大海は身を捩り快楽に浸る。夢も見ないほど深く交われば、一時の安息は得られるのだ。
だが、それは決して根本的な解決ではない。大海も、そして市松も、体を重ねながら心の底でそれを悟っていた。