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戦国ラブドール
第17章 高虎と若虎
どうすればその目から解放出来るか、虎之助は考えるまでもなく、答えを知っている。
するとそこで行長が、目を合わさず静かに呟く。
「初めにそんな印象を持たせたのは、私達三人です。忘れないでくださいね、その罪を」
義憤に駆られる虎之助は、その呟きに気を萎ませる。確かに虎之助は、初めの夜に大海を犯した一員なのだ。それが今さら玩具呼ばわりするなと言い出すのは、滑稽でしかなかった。
だが、離れに到着すれば、悩んでばかりもいられない。ひとまず虎之助は目の前の矛盾を忘れ、誰よりも先に扉を蹴破った。
「市松!」
部屋に漂う淫靡な空気と、転がったとっくり。中央にあられもない姿で横たわり、市松を受け入れ喘ぐのは大海だった。
「あっ、ん、はあっ……くっ!」
宴の夜も、虎之助は大海が他の男に犯される姿を見ている。その時は、名器を味わう姿を羨みはしても怒りはしなかった。
だが、虎之助は次の瞬間大海の上に跨がる市松を引きずり下ろすと、だらしない頬へ拳を叩きつける。一発では足りず、市松の首を締め上げながら何度も拳を振るった。