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戦国ラブドール
第18章 プロポーズ
市松は腰を直角まで折り、頭を下げて大海に手を差し出す。
「馬鹿ばっかりやらかしちまう俺だけど、もう間違わねえ。俺と――夫婦となるつもりで、恋仲になってくれ!」
思ってもみなかった告白に、大海は心臓が飛び跳ね硬直してしまう。何か返さなければと口を開くが、言葉にはならずただ頬が赤くなるばかりだった。
すると、小夜が大海より早く口を開く。小夜は花束を市松に投げつけると、大海も見た事がないくらい目をつり上げて怒鳴った。
「冗談も大概にしてっ!! なにが恋仲よ、二度もお姉ちゃんを傷付けたくせに!」
「お、お小夜ちゃん……それは、悪かったよ」
「謝って済むなら、切腹なんて言葉はいらないわ! お姉ちゃんを騙して玩具にしようったって、わたしが許さないんだからっ!!」
小夜は市松に拳を振り上げるが、大海は慌てて止めに入る。小夜の力で市松がどうなる訳ではないが、武士相手に手を上げてはただでは済まない。だが大海が背後から抱き止めても、小夜は暴れようと身を捩る。
「ちょっ……ごめん、虎之助! 後でまた聞くから、今は市松を連れて帰って!」