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戦国ラブドール
第18章 プロポーズ
「そんなの、当たり前の気持ちじゃない。お姉ちゃんは何も悪くない!」
「普通ならそれでもいいさ。けど、あたしは耐えるって約束したんだ。それを果たせないような弱い自分じゃ、駄目なんだ」
すると市松は、大きく首を横に振って大海に訴える。
「違う……そんな虚しい強さ、お前には必要ない!」
「市松……?」
「傷付いてもそれを見ない振りしてごまかす生き方なんて、お前らしくねぇよ! 嫌なものは嫌だ、間違いは間違いだと、筋を通った事を堂々と言える女だから、俺はお前が好きなんだ。そんな事を言わせたくて、馬鹿をやらかした訳じゃないんだ」
「……じゃあ、なんのためにあたしを呼び出したのさ」
すると市松は頬を赤く染め、妙にそわそわとし始める。大海が訝しげに覗けば、市松はようやく口を開いた。
「それは……お、お前を好いているからだ。寝ても覚めてもお前の事しか考えられなくて、けど虎之助から奪うなんて考えられなくて、飽きるまで抱けば忘れられるかと思って、あんな事しちまった」
「え……?」
「でも、それは間違いだって気付いた。忘れるなんて無理だ。だから、その……」