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戦国ラブドール
第22章 束の間の夢も
縁側で行われたささやかな宴は、大海が疲れて眠るまで続く。孫六の膝枕で眠る大海を見つめ、文句をこぼしたのは吉継だった。
「孫六、ずるい。僕が膝枕したかった! なんで君が美味しい思いしてるのさ」
「なぜと聞かれても、それは隣に座ったからだとしか言いようがないが」
すると同じく隣に座る市松が、首を傾げる。
「ちょっと待て孫六、その理屈でいけば、俺が膝枕したっていいじゃないか。ちょっと大海貸せよ」
「下手に動かして起こしては可哀想だ、断る」
孫六がにべもなく断れば、嫉妬の目線が二人から浴びせられる。それを取りなしたのは、行長だった。
「まあまあ、お二人とも。孫六さんなんだから、まだいいじゃないですか。これがどこぞの虎之助さんでしたら、大海さんの頭の感触に興奮し、汚い物をおっ立てて不愉快な思いをさせるかもしれませんよ?」
「ああ? 行長てめぇ、喧嘩売ってんのか!?」
「これが市松さんでも、また然り。その点孫六さんなら、落ち着いていますし理性的的ですから、これくらい平気でしょう?」
虎之助は市松と孫六を見比べると、行長に同意し頷く。