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戦国ラブドール
第24章 赤壁の戦い②
吉継が暴れている、という知らせを聞きつけたのは、信じてと言われた翌日の事だった。
「吉継!」
周りに群がる野次馬を押しのけて庭に出れば、吉継は棒で半兵衛を叩きのめしていた。
「このっ、老いぼれ! 僕達が戦うんだ、戦えない老害が、口を挟むな!!」
一回ではなく、吉継は何度も棒を振り下ろす。何があっても信じて、と言われても、大海は傷付いた半兵衛を前に、止めずにはいられなかった。
「なっ、なにしてんだいあんたっ! 狂っちまったのか?」
半兵衛を庇い背に隠せば、吉継は棒の先を大海に突き出す。
「狂っているのは向こうだ! 人を無視するだけ無視して、手柄が取れそうな時だけ顔を出して!」
「わ、分かんないけど、もう止めなよ! 叩いたら、半兵衛殿が死んじゃう――」
すると吉継は棒を投げ捨て、大海や半兵衛を無視して城の中へ戻る。大海は追いかけるべきか迷ったが、怪我した半兵衛を優先した。
「半兵衛殿、大丈夫ですか!?」
「ええ……なんとか。すみません、情けないところを見せてしまいました」