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戦国ラブドール
第24章 赤壁の戦い②
半兵衛は意識を失った大海を抱き留めると、辺りを見回し声を上げる。
「尾けている事は分かっています。目当ては大海でしょう? 一人で運ぶのは骨です、手伝ってください」
すると建物の陰から、赤い頭巾を被った音が二人現れる。男達は大海が意識を取り戻しても暴れられないよう縄で縛ると、二人で大海を持ち上げる。そして歳月寺の跡地、ではなく、紅天狗の隠れ家まで直接足を運ぶ。半兵衛はその後ろを歩き、共に隠れ家まで向かった。
「孫六は、無事ですか」
道中、半兵衛は前を歩く二人に訊ねる。すると男の片方が、笑い声をこぼしながら答えた。
「体は無事さ。が、武士の誇りってヤツは粉々だろう。もし無事に戻れたとしても、今までみたいに英雄気取りで町を闊歩は出来ないだろうなぁ」
「何をしたんですか?」
「なぁに、奴が無様に負けて俺達に袋叩きにされた様を、町中に知らせてやっただけよ。町の連中、皆青い顔をして愉快だったぜ」
夜の町がいつも以上に静かなのは、紅天狗を恐れた結果なのだろう。半兵衛はそれを無表情で聞きながら、男達の後を追った。