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戦国ラブドール
第25章 赤壁の戦い③
赤月の指示に、男達は喜び勇む。狂宴が始まろうとしたその時、半兵衛が水を差した。
「お待ちなさい。まさか私を、お役御免と帰すつもりですか?」
「ああ……そうだったそうだった。お前ら」
すると半兵衛の近くにいた男達が、刀を抜き半兵衛に向ける。
「俺達の目的は達成した。ついでにお前を紅天狗が晒し首にすれば、もっと紅天狗の名は高まる。死んでもらうぜ、裏切り者さんよ」
「孫六も、私と同じように殺すつもりですか?」
「そりゃそうだ、こいつは生意気な真似をして、俺達紅天狗に喧嘩を売った。首を晒すだけじゃ足りねぇ、町の真ん中で公開処刑にしてやる」
「そうですか……しかし、それは不可能ですね」
「ああ?」
その時、雄叫びと共に玄関が蹴破られる。なだれ込んでくるのは、子飼い達と高虎。紅天狗達は慌てて皆構えるが、殺気立つ武士達の勢いは簡単に止まらなかった。
「皆、無事か!! 今助ける!」
市松を先陣に、子飼い達は紅天狗を組み伏せる。紅天狗は刀で応戦しようとするが、狭い室内では振り回すにも苦労する。紅天狗が一度怯んでしまえば、ますます子飼い達は勢いづいた。