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戦国ラブドール
第25章 赤壁の戦い③
「くそ……重い! 黒月、少し休憩だ! 昨日から何も食べてないし、折檻されて疲れてんだよ。少しは俺をいたわれ」
街道を大きく離れた藪の中を歩きながら、赤月は前を歩く赤い頭巾の男へ叫ぶ。すると男は足を止め、振り返った。
「もう少し行けば、小屋がある。休むならそこだ」
「ええー……じゃあせめて、黒月が持てよ、この大女。でかい分、重いんだよ」
「それを気に入ったのはお前の方だろう? 文句を言うなら、ここに置いていってもいいんだぞ」
赤月は不満げな瞳を向けながらも、再び歩き出す。そして、今は使われなくなり放置された小さな小屋へ入ると、ようやく大海を下ろして腰を落ち着けた。
「それにしても、長浜の武士共め……俺達をコケにしやがって、許せねぇ」
「だが今は、逃げるしかない。いいか、私達さえいれば、いくらでも紅天狗は再生出来る。所詮残りの奴らは、私達の望みを叶えるための駒なんだ。逃げ延びて、気を窺うぞ」
「って言っても、二人でこれからどうすんだよ?」
「二人ではどうも出来ん。これを餌に、人を増やすしかないな」