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戦国ラブドール
第27章 未来への道に
 







 試し斬り用ののわらを相手に、振るわれる木刀。風を切り何度もわらを打ちつけては、己の型を見直す。

「あんたが剣の稽古なんて、珍しいね」

 大海が声を掛ければ、一心不乱に振るわれていた木刀がぴたりと止まる。

「大海、どうしたの?」

 汗を拭い、木刀をぽいと投げ捨て駆け寄ってきたのは吉継。大海は水に濡らして固く絞った手拭いと、おにぎりを差し出した。

「ここにいるって聞いたから、差し入れに。邪魔じゃなければ、少しいいかい?」

「邪魔なはずないじゃない。ちょうど休憩しようかと思ってたところだし、遠慮なくいただくよ」

 吉継は喜んで差し入れを受け取ると、近くの切り株に腰を下ろし、おにぎりの包みを広げる。大海はその前にしゃがみ込むと、吉継を見上げた。

「そんなところにいないで、座ったら? ここ、まだ余裕あるよ」

 吉継は切り株の斜め後ろを指差すが、大海は首を横に振る。

「いいんだ、ここで。そっちだと、あんたと顔を合わせられないから」

 どことなく緊張した面持ちの大海に、吉継は首を傾げる。だが大海におにぎりを勧められ、ひとまず一口頬張った。
 
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