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禁断の果実に口づけを
第10章 普通に憧れる洋子


 自分の股間を弄るうちに伸介に無性に会いたくなった。
自分の指でクリトリスを触り、伸介のペニスが挿入され、乱暴で強引なセックスを思い出すだけで、身体が疼いた。


 『シタイ…』
はしたなく、淫乱な自分を嫌悪する気持ちの裏側には、性に対して正直になりたい気持ちの現れもあった。

 イクまで続け、その場の欲求は満たしたが虚しい。
バスルームで汚した手や性器を洗い、なかった事にしてから外に出掛けた。



 『気分転換したい、少しでも綺麗になりたい』


 そんな気持ちで美容室に行った。
最近出来たばかりの駅前の美容室に入る。
天然木などを使った優しい雰囲気の造りで、派手すぎないクリスマスの飾りなどを施し、大人の女性が好みそうな高級感のあるお洒落な店だった。
まぁまぁお客も入っている。
少し待ち時間もありそうだが、ここで髪を切りたいという気持ちが強く出る。

 『自分はココで変れるんじゃないか?』などと根拠のないインスピレーションすら湧いた。
待ち時間は気にしないと伝えて、待つ事にした。
メニューはカットとヘアカラーを頼む。
待合い室のソファに座り、雑誌などを手に取って読んで時間を潰した。




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