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禁断の果実に口づけを
第3章 秋山洋子のアクシデント
川端伊織の頼んだ修理工が時間通りに来てくれて、車を見てくれたが、タイヤの破損が激しい為、タイヤ交換しないと無理だと言う……
「釘みたいなもんを踏んだみたいですね。
仕事終わってから、ここに寄って下さい。
お車をお預かりして、タイヤ交換しときますから」
そう言われ名刺を渡された。
修理工の乗ってきた車を、代車として貸して貰う。
「有難う御座います。
助かります。
ただ、なるべく急ぎますけど、遅くなるかもしれません」
「構いませんよ。
お待ちしてます」
「はい、宜しくお願いします!」
洋子は、修理工にお礼を言い、駆けつけてくれた伊織や朋子にも頭を下げ、代車で顧客の元に急いだ。
✾✾✾
伊織の友達の修理工は、洋子の車をレッカー車で運ぶ手配もしていた。
「助かったわ、しんちゃん!」
そう言って、伊織は友達の修理工に優しく微笑んだ。
「いや、別に…
近くだし、パンクだけだから大した事ないよ」
かなり、二人は親しげに見えた。
昼間の冷たい微笑をした伊織を打ち消す様な出来事だった。
ーーなぜ、ウザい秋山洋子を一番苛められている伊織が助けたのか?
他の人達は見て見ぬふりする中で……
朋子は不思議に思いながらも……
『優しい子なんだ、伊織ちゃん』
伊織に好印象を持つ。
しかし、その一方で拭いきれない不信感も感じていた。