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禁断の果実に口づけを
第15章 メリクリ


 箪笥の中から普段着を選び、身支度をしょうとした。
どれもこれもお洒落には程遠いルーズな服ばかり。
そんな洋服達を見ながらも笑ってしまう。

 『どんだけ女サボってんだ私!?』
自分突っ込みを入れながら、箪笥の整理を始めた。
『少し、お洒落なものを自分のクリスマスプレゼントにしょう。
寂しいと思う休日を充実に変えなきゃ、いつまでもいじけたブスの秋山洋子のまんまだわ。
身綺麗にしていた方がアクティブに物事を考えられそうだし!』

 袋に詰めてゆく、さよならブス維持グッズ達。

 『ゴミに出して生まれ変わろう!』

 この間伸介に会う時に着ていった服に着替え、外に出た。
寒いと感じる冷気すら新鮮に思えた。

 電車に乗り、少し家からは離れた都内のデパートへと足を運ぶ。
デパートの前には大きなクリスマスツリー。
待ち合わせ場所に選んだカップル達は、寒さなど吹き飛ばす様な笑顔やワクワク、ドキドキ、少し不安げな表情と様々な顔ぶれ。
横を通り過ぎる洋子も、昔、そんな事もあったと自分を過去を振り返る。
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