この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実に口づけを
第15章 メリクリ
箪笥の中から普段着を選び、身支度をしょうとした。
どれもこれもお洒落には程遠いルーズな服ばかり。
そんな洋服達を見ながらも笑ってしまう。
『どんだけ女サボってんだ私!?』
自分突っ込みを入れながら、箪笥の整理を始めた。
『少し、お洒落なものを自分のクリスマスプレゼントにしょう。
寂しいと思う休日を充実に変えなきゃ、いつまでもいじけたブスの秋山洋子のまんまだわ。
身綺麗にしていた方がアクティブに物事を考えられそうだし!』
袋に詰めてゆく、さよならブス維持グッズ達。
『ゴミに出して生まれ変わろう!』
この間伸介に会う時に着ていった服に着替え、外に出た。
寒いと感じる冷気すら新鮮に思えた。
電車に乗り、少し家からは離れた都内のデパートへと足を運ぶ。
デパートの前には大きなクリスマスツリー。
待ち合わせ場所に選んだカップル達は、寒さなど吹き飛ばす様な笑顔やワクワク、ドキドキ、少し不安げな表情と様々な顔ぶれ。
横を通り過ぎる洋子も、昔、そんな事もあったと自分を過去を振り返る。