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禁断の果実に口づけを
第15章 メリクリ
ゴッソリとゴミ袋に捨てたルーズ女御用達の洋服の代わりに、突然部屋を訪問されても対応OKな可愛らしいワンピースのルーム着やちょっとした買物などにも来て行けるカジュアルなグレーのセーター。
それに合わせた黒のスリムパンツに着回しが出来そうな紺のダッフルコート。ワンポイントにサックスブルーのマフラーを選んだ。
『女は恋をすると、予定なんかなくても、デートに着てゆきたい洋服を選んではしゃいでしまうのかもね……。
自分を可愛く魅せる為に努力する生き物なのね。
そのいつかを願いながら準備もしたいんだよなぁ…
恋は女を変えてゆく魔法なのかも知れないわ』
買物袋を手に持ち、暫しクリスマスムードのデパート店内を歩いた。
何度も紳士服売り場の店先をウロウロしたが、洋子自身思い直す。
『伸介にクリスマスプレゼントを渡したいとか思っても、それは重荷になってしまうだろう。
私達はそんな間柄じゃない。
所詮、セフレと変わらないのかもしれない。
お互いの都合がいい時にセックスをして性欲を解消し、ガス抜きをしている。
ただそれだけ。
私の気持ちは……
決して打ち明けてはならない。
打ち明けたら0になる。
0になるくらいなら……
永遠の秘密にしてしまえばいい。
永遠に秘密でいいんだ…』