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禁断の果実に口づけを
第15章 メリクリ
ラーメンを食べ終えて、洋子は伸介と並んで歩いた。
「さみぃーから送っていってくれるか?」
「いいわよ」
「チキン、サンキューな!
明日まで食べれんだろ?」
期待したらいけない。
アパートに一度寄ってから、プレゼントを見て、わざわざラーメン屋まで追い掛けて来てくれたなんて……。
俗に言う胸キュンシチュエーションなんていうやつは、私には無縁無縁無縁なんだからさ……
「大丈夫だと思う。
念の為に冷蔵庫に入れてよ。
あと、食べる時に温めて」
「おう!」
「似合うわね。スーツ」
「柄じゃねーけどな」
「黙っていたら、仕事の出来るビジネスマンみたい」
「黙ってねーから、俺なんだ。
今日は飲み過ぎてチンポ勃たねぇーから、ちゃんと帰れよ!」
「べっ、べ、別にそれがしたくて来たわけじゃないわよ!」
「メリクリなのにヤレなくて悪いな」
「ヤリたいなんて言ってないし!!」
「ムキになるな!洋子。
ヤレなくて残念。メリクリなのにくらい言えば可愛いのによぉ!」
「メリクリなのに残念」
「けっ!棒読みかよ!!」
「メリクリなのに残念。
でも、会えたからいい。
ラーメンも一緒に食べられたからいい。
それでいい。
それだけでも十分だよ…」