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禁断の果実に口づけを
第17章 嫉妬の炎が揺らめいて
「……私は風間さんに保険の内容をキチンと説明して、納得して頂いて入って貰いました」
「なら、何にも問題はないわよ!
朋ちゃんは堂々としてなさいよ!
だって、風間さんは朋ちゃんを信用して入ってくれた保険なのよね。
仮によ。
仮に風間さんが会社のお金を利用して入ったとしても、それは風間さんが横領で問われる部分で、私ら外交員はそこまでの責任はないわ。
ただね…
ここだけの話よ。
たまによ。
本当に極たま~にまぁ、稀な事なんだけどね、お客様と男女の関係になってトラブルになる場合があるのよ。
朋ちゃんに限ってはそんな事はないって信じてる。
だって、朋ちゃんは優秀な人だもの。
そんな娼婦まがいな事なんてしないわよねー」
「……勿論です」
そんな時、営業所の来客用の扉が勢いよく開き、事務員が対応した。
「わたくし、風間優美子と申しますが、倉橋朋子さんをお願いします。それにここの責任者の方にもお話があります」と強い口調で一言言った。
見る限り、怒りを顕にした来客の様子に事務員もたじろぎ、
「少々お待ち下さい」と声を掛けて応接室の方に通した。
直ぐに朋子を呼びに来た事務員。
「倉橋さん。
風間優美子様という方がお見えになってますが…
何だか凄く憤慨されているご様子で……
責任者の方もと言われてるんですが……」
事務員が朋子に小声で話す。
青ざめてゆく朋子は暫く返事をする事すら出来なかった。