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禁断の果実に口づけを
第17章 嫉妬の炎が揺らめいて
「へぇー要は貯蓄型の保険なわけね?」
「はい。銀行よりも利率が良いので、安全保障でお金を預けているのなら、保険会社に預けて頂き、良い利率で財産を増やしてゆくのも賢い財テクだと、私のお客様にはご案内してます」
「確かに賢い財テクですこと。
死亡時には預けていたお金は戻ってくる。
数年預ければ利子がつくという事ですね?」
「はい」
「自分都合でいつでも解約も出来るのよね?」
「直ぐに解約されてしまう場合は元金割れのリスクは御座いますが、三年以上預けて頂ければ、銀行よりもお高い利子がつくのがこの保険の良いところです」
「ちゃんと自分の預貯金で入れば問題無いわよね……
倉橋さん、わたくしが何を言いたいのか、察して頂けますか?」
「……いいえ、私には……私はお客様により良いご提案を心掛けております。
銀行で眠っている預貯金があるなら、利率の良い我社に保険として預けて頂けたら幸いだと思いますが…後はお客様のご意思次第となります」
「風間はあなたのお客なんですか?」
「はい…」
「もう一度聞きます。
うちの主人は倉橋さんのお客という事で間違いないのですね?」
「はい。
その通りです」
「そう。
あなたはお客と面白い場所で商談なさるのね」
優美子は口角を上げ、朋子を皮肉る様な言い方をわざとする。
朋子の唇はブルブルと僅かに震え出す。
『ダウト!』
上手くジョーカーを隠せない朋子は、優美子にそう言われている様な気がした。
軽蔑の眼差しで朋子を蔑む優美子は、次のカードを用意していた。