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禁断の果実に口づけを
第18章 女の本性
「どんな女でしたか。倉橋朋子は?」
「頭が良さそうで仕事が出来る様な賢い顔をしてました。
それでいて、強かさは中々表に出さない。
そんな姿を見て、余計腹が立ちました。
どんどん意地悪になれました」
「優美子さんをそこまでするだけの女なんですね?」
「私とは正反対の女だからムカつくのでしょう…
ひれ伏してやりたかった。
ボロボロになった泣き顔も見てやりたくなりました。
だから、言い逃れ出来ない証拠も叩きつけてやったんです。
青ざめてゆく彼女を見て、スゥーとしたんです。
もっともっとと追い込んでいる間、彼女より自分が強くなった錯覚にさえ陥りました」
「感情を剥き出しにされたんですね」
「酷い事をしたなんて気持ちは微塵もありませんでした」
「多分、僕が優美子さんでもそうしてますよ。
憎い気持ちを消化しないと前に進めない事ってありますから。
それで良かったんです」
「理一さん…」
「たまには人泡を吹かせたくなる様な事、してみたくなりますよ。
当たり前の日常を変えてしまうくらいのね」
「勝手な事をした私をお咎めにならないの?」
「優美子さんの正直な気持ちを表に出す事が、社長や倉橋朋子への最高の復讐なんです」