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禁断の果実に口づけを
第20章 道標

 恐る恐る携帯の電源をONして、画面の時計見ると、二十三時四十分の時刻を示しており、真雪と会ってから二時間以上が経過していた。
相変わらず洋子や晴美、所長の柿沼の着信やメールでいっぱいになっていた。
どんよりした気持ちで、メールも読まずに削除していく。
書いてある内容は気になっても、読めば気が重くなるのが目に見えていた。
迷惑を掛けた自分が一番悪いと反省はしている。
でも、どっちみち解雇されるだろう…。
そう思うと今は関わりたくなかった。

 そんなメールの中に健からのメッセージも紛れていた。




ーー 朋子、今日は嫌な思いさせて悪かったな。
真雪とは会えたみたいで安心してる。
そこに居てくれ。
ちゃんと話そう。
待っててな。ーー

 短い内容だが、自分の事を心配してくれる健からのメッセージに安心した。
健からの連絡を待ちながらも、携帯を開くのが怖かった。
そんな思いの中、真雪と一緒に居れば、健とはそのうち連絡が取れると思い電源を切っていた。


 『もうすぐ会えるんだね……』
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