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禁断の果実に口づけを
第21章 カフェオレの追憶

 「調子狂うんですけど……秋山代理。
いくら不倫でも、風間を失った私への憐れみや同情ですか?
迅速に穏便に片付けたいから、無駄な事は言わずに退職に合意させたい魂胆なんでしょうか?」

 洋子は朋子の言葉に間を置くかのようにコーヒーを飲み干し、頭の中で伝えたい言葉を選んだ。

 「………憐れみや同情という感情とはまた違います。
不倫に関しても、私は完全な否定派ですから。
ただ、人を好きになる気持ちは否定しません。
仕事から離れて言わせて貰えば、倉橋さんに少しでも楽になって欲しい。
今あなたが考えたい事は、仕事の事じゃないはずです。
無駄な事を考えず、本当に考えたい事を優先にして欲しい。
過去は変えられませんが、未来なら変えられますから」

 「意外な事言うんですね?」

 「多分、私があなた立場なら仕事なんてどうでもいい。
なる様になればいいとしか思わないでしょう。
あっ、確か倉橋さんお子さん居ましたよね?
今日はどうされましたか?」

 「実家に預けました」

 「そうでしたか。なら良かった。
だいぶ疲れているみたいだから、休める時にゆっくり休んで下さい。
では、私はこれで…」

 席を立ち、朋子に頭を下げて玄関に向かう洋子。
タバコを消して取り敢えず追い掛ける朋子。

 「あっ、あの……秋山代理……」

 「倉橋さん、気持ちを前向きにして元気を取り戻してゆくのは、時間とあなた次第です。
余り力になれず済みません。
では、失礼します」

 そう言ってもう一度頭を下げ、洋子は帰って行った。
拍子抜けしてしまう朋子。


 『意外なんだよ……。
こんな時に優しくすんなよ……』



 
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