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禁断の果実に口づけを
第22章 ブス可愛い
映画も観終わり、喉が乾いたという伸介と商業施設の中にあるレストランに入る。
「帰りは洋子が送ってくれるなら、俺はビールが飲みたい」
「ちゃんと送るわよ」
「なら、ビールとツマミにソーセージの盛り合わせ」
館内が乾燥していたせいか、洋子も喉が乾いたので、ノンアルコールビールを頼んだ。
「洋子は気分だけで悪いな。
まぁ、俺は運転じゃないし頂くよ」
届いたビールをグラスに注ぎをゴクゴクと喉を鳴らして美味しそうに飲む伸介。
ランチにステーキを食べて、またソーセージを注文して食べれる若さ。
見ているだけでお腹がいっぱいになってしまう洋子。
「泣いてたべ?洋子」
「あっ、だって感動するじゃない!母娘のラスト間際の会話シーン」
「未来に帰る娘が体が半透明になって消えてゆくシーンか?
あのオチはねーよな。
ファンタジー込みだからアリなのか?」
「アリでいいと思う。笑いあり涙ありなんて映画、そうそうないよ。ストーリーも全体的には良かったし」
「一番凄いのは、主演の高瀬まひるだよな」
「あっ、今注目の女優らしいよね。
主人公と過去の母親役の一人二役の演技は良かったな」
「若作りしてっけどよ、あの女優俺と同い年の二十七よ。
さすがに高校生の制服姿は痛いべ?」
「毒舌よね。伸介は」
「元カノだからね」
「えっ!?」