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禁断の果実に口づけを
第4章 洋子の帰り道、迷い道
フゥーと深い溜息をつき、真っ直ぐ私を見ながら伸介は言う。
「……ブスだなその顔。
可愛らしさがまるでない。
でも、まだ泣くだけマシか?
悔しいんだもんな?
誰にも甘えられなくて孤独でさぁ……」
「……あなたなんかに何が分かるのよ!
どうせ、男なんて川端みたいな可愛げのある、バカな女が好きなんでしょ!!」
伸介は面白そうにクスクスと笑う。
「なんだ……洋子は伊織に嫉妬してんのか?」
『何言ってんだ!!
こいつは…………
私があんなバカ女の川端伊織に嫉妬するわけがない!!』
「そんなわけないでしょ!!」
怒りが込み上げて怒鳴っていた。
「まぁ、どうでもいいや……
面倒くさ!!
もっと、面白い女かと思ったけどがっかりだな…」
「なんですって!!」
「イヤ、別に…」
洋子は中途半端にされた身体も疼いていた。
理由はどうあれ、久しぶりに男が自分の身体を触れ、ドキドキもしたし、指で弄られただけでイキそうにもなっていた。
本当は……あのまま流れに身を任せたかった。
自分の余計な一言で伸介に突き放され、今は女としてのプライドさえも傷ついた。
「もう‥‥
もう‥‥‥
私なんて……
どうなったって、誰も本気で心配なんてしない!
嫌ってくれて構わない!
私は……
こんな風にしか、生きれないのよ!
もうーー放っておいてよ!」
こんな自分が惨めで泣き崩れた。
「……私なんて?
なんなんだよ?」
洋子を見つめる伸介。
『放って……おかないでよ!!』
寂しい心が呟いていた。
私は伸介に抱きついた。
伸介はよろけながらも支えた。
寂しくて、人肌恋しい……
そんなの……もう、身体だって……こんなになって……もう………
放っておかないでよ!!
「………なんだよ?さっきの続きして欲しいのかよ?」
私は泣きながら、信介の胸の中に居た。
お願い……
拒絶しないで……
ーー今、拒絶されたら、壊れてしまう…心が粉々に破壊されちゃうからーー
こんなにも弱くなる自分に驚きながらも……
伸介に抱いて欲しい気持ちの方を優先させてしまう程の、心の隙間に宿る、女としての忘れかけた想い。
「なら、脱げよ!
曝け出してみろよ!
お前はつまんない女じゃないんだよな?
ーー洋子」