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禁断の果実に口づけを
第22章 ブス可愛い
「意外じゃねーよ。
例え、どんな別れ方しても縁があった女には、どっかで幸せになって欲しいくらいは思う。
ただの鬼畜だと思うなよ!
あっ、ビールもう一杯のも。
いいよな?洋子」
「どうぞ」
「なら、遠慮無く!」
そう言って、ビールをお代わりを頼む伸介。
「伸介の思い出に乾杯なさいよ」
私はきっと嫉妬混じりの素っ気ない返事をしたはず。
「高瀬まひるを褒めるなら、良い演技する様になった事かな。
感情が豊かになったっていうかさー
洋子を泣かせたんなら、あいつの演技で感動する人も沢山居るって事だろ?
そこは褒めるとこじゃね?
夢を掴んだ女はやっぱ違うわ」
運ばれてきたビールを注ぎながら、感慨深く言うのね。
「洋子も感情が豊かになったな。
最初はそこら辺に居るプライド高い嫌なブスだったけど、今は可愛げあるよ」
「なっ、何言ってんのよ!
あと、あんまりブスって言わないでくれる?
自覚はちゃんとあるんだから、ほっといて!」
「今のお前はブスじゃない」
「えっ!?」
返事を返さないでソーセージをフォークに刺して食べるあなた。
ニクイね。
私の心は出会った日からあなたに翻弄されっぱなしだよ!
「私ももう一杯飲もう。
ノンアルコールで気分だけ頂くわ!」
ほんの少しの優しさと笑いに変えるユーモアを持って、ブス可愛く生きれば世の中が穏やかに見えるもんなんだね。