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禁断の果実に口づけを
第23章 本物のQUEEN
朋子と斎場で別れた後、会社に戻る真雪。
優美子はそこで真雪の報告を待っていた。
すっかり疲れ果ててやつれた優美子が社長室の応接セットのソファに座って待っていた。
真雪も優美子と向かい合わせに座り、朋子に最期の別れをさせた事を告げた。
「ちゃんと会えたんですね」
「はい」
「ごめんなさい。真雪さん。
変な事を頼みました」
「いいえ」
「父にも大まかな事を話しました。
そしたら、経理を一度見直した方が良いと…。
父の信頼おける部下だった者がこの度銀行を定年退職して、再就職口を探していたので、声を掛けて経理を見直させました。
風間が横領したものの補充を速やかに実行する事が目的だったんですけどね…。
そしたら、裏帳簿が見つかりました。
風間の陰に隠れて、経理部長の横澤が実行していたんです。
会社のお金を相当使い込まれてました。
横澤を問い詰めたら、細川専務の指示でしていたと……
風間の事もありましたので、今回の事は表沙汰にしない代わり、二人には自主的に退職して頂く方向で話を進めてます」
「えっ!そんな事が!!
まぁ……それは優美子さんも大変でしたね」
「えぇ……
でも、すっかり目が覚めました。
陰に隠れていたものまで見えてしまい、人間不信になりそうだわ。
真雪さんと風間築き上げたWHITECANDYを守らないと、未来はなくなってしまいます」
「私で良ければ優美子さんと一緒に守りますよ」
「有難う。真雪さん。
もう、裏切られるのは懲り懲り。
信頼出来る方に囲まれて生きたいわ」
「私は優美子さんを裏切らないし、尊敬してるわ。
今日の事、なかなか出来ないわよ。
一緒に健の会社を盛り立ててゆきましょうよ」