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禁断の果実に口づけを
第23章 本物のQUEEN
「変わった子、気味が悪い子。
私を見下す言葉は溢れていた。
死にたいくらい悩んだわ。
親はもっと悩んだはず。
でもね、私を生んだ事を後悔した事はないって言ってくれた。
いつまでも元気でいてくれたらそれでいいって。
親が思った様に子は育たないもんだし、欲張るのは贅沢なんだってさ…」
「私も風間も輝が生まれてきてくれた事に感謝してます。
それは嘘偽りのない気持ちです」
「なら、ちゃんとした親よ。
それをこれから見せていけばいいじゃない」
「えぇ。
父の部下に会社の経理だけじゃなく、風間の資産状況についても調べて貰ったんです。
皮肉な話ですが、倉橋朋子に勧誘されて風間が掛けていた保険は、どうやらこれからの私達に役立つものばかりでした。
いざという時の輝や私、そして会社の運営が傾かない様に考慮したものなんです。
最期に掛けた一千万円の保険は受取人は輝になってました。
ちゃんと輝の将来に備えていたんですね。
風間の金庫の中にちゃんと大事に保管されてました」
「そういうとこも健らしいじゃない」
真雪は敢えて朋子の事には触れなかった。
『朋子さんは朋子さんらしいやり方で、健の事を考え、愛していたんだ』と健気さに胸が打たれた。
「えぇ。全く風間らしいです」