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禁断の果実に口づけを
第27章 警告
「目障りよね…晴美さん」
「そうね。前までは秋山がウザいと思っていたけど、最近はだいぶ大人しいから気にならなくはなったけどさ……。
それに四月には異動とかって十分有り得るもんね」
「あっ!それ有り得るね!」
「あんだけみんなに嫌われてる代理も居ないでしょ!
前の営業所も嫌われて追い出されたって噂だし、たらい回し状態なんだよ。
それに所長にもお局様達にも嫌われているから、当然、支社長の耳にも入ってるわ。
だから、四月には絶対飛ばされるわよ!
ホント、よく堪えたよね……川端さんは」
「えぇ…。本当に毎日胃が痛かったです。
何度辞めようかと……」
「可哀想にね。でも、もう大丈夫よ!
確実に出て行くわ」
「四月が待ち遠しいよねー」
真奈美と翠はそう交互に言いながらニヤニヤしていた。
「一層の事、少し早めに追い出しちゃおうか?
晴美さんと秋山代理」
「やってみる?」
確証を得たかのように仄めかす二人。
「そんな事って可能なんですか!?」
「可能かもね」
「可能にするのよ」
「ねっ」
「そうそう」
口元にパスタを運びながら、二人のやり取りを聞いていた伊織。
自信ありげな二人の会話に不気味さも感じた。
でもその意味が後になってハッキリと分かっていく事となった。