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禁断の果実に口づけを
第27章 警告
支社から支社長の呼び出しを直々に受ける、所長と洋子。
穏やかな話じゃないのは予想がついた。
支店長室に呼ばれ、立派な応接セットのソファに所長と並んだ席に座らされた。
目の前の支社長がノートパソコンを取り出し、画面を二人に見せる。
顔はとても厳しい表情となった。
画面には【パワハラ】というタイトルで、洋子が伊織を営業所内で怒鳴り散らす映像が映し出されていた。
傍観者となって、注意もしない所長の姿もチラッと画面に映る。
その動画が終わると、支社長はガッカリした顔となった。
「秋山代理、何か言い分はありますかね?」
怒りを隠した冷ややかな支社長の言葉が突き刺さる。
「いえ…」
言訳など通用しないであろう。
確かに営業所内で繰り広げられてきた光景なのだから。
「こんなやり方で人が育つ訳がない。
見ていて不愉快になる。
それを見ていても、注意の一つもしない柿沼所長もどうかと思う」
『支社長は私と所長二人に対してご立腹なわけね』
「も、申し訳ありません。
所員達の指導は秋山代理に一任していたもので、喝を入れているのだとばかり……」
『どんな言訳をしたって、事態は変わらないんだよ。
あんたは見て見ぬふりをしていんじゃない。
面倒な事は、全て人任せにしてきたお鉢が回ってきたのさ。
私には因果応報ってやつかな。
認めてしまえば楽よ。
言い逃れなんて出来ない証拠を突きつけられてるんだから』
洋子はおかしなくらい冷静になれた。