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禁断の果実に口づけを
第27章 警告

 「次から次へと君達の営業所は問題が起こる。
まぁ、人対人の仕事だし、女性の職場だ。
少なからずとも、何かしらの揉め事はあるのは仕方ない。
が、しかしだ。
年末の倉橋の件が無事に済んだと思えば、今度はパワハラ動画をわたしや本社宛に送りつけてくる所員が居るという事は、君達の管理責任を問われているようなもんじゃないかね?」

 「仰る通りです。
こうなってしまった事態を重く受け止めております。
申し訳ありませんでした」

 洋子は支社長に頭を下げた。

 「秋山代理は今回の件は認められるんですね?」

 「はい」

 洋子が川端伊織を苛めてきたのは事実だった。
自分が川端を怒鳴りつけている時の顔をこの動画で見せられて、ゾッとした。
こんな怖ろしい形相をし、営業所内で怒鳴っていたら、周りまで気分を害していただろう。

 今やスマホなどで動画が撮れてしまい、こうして証拠としてあげられた以上、自分の落ち度は認めざる得ない。

 言われた本人の川端はさぞかし気分を害したはずだ。
本来なら、支社長より先に謝罪をするべきなのだろうが……
自覚がありつつも、今まで彼女に詫びを入れてない。
上司が部下に注意をしたレベルの話ではないから、パワハラと呼ばれ、動画まで送りつけた者が居るというのが、そもそもそれを物語っている。

 言い逃れなんて、もはや出来やしない。
洋子の反省は時すでに遅しという事も重々理解出来た。
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