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禁断の果実に口づけを
第28章 毒リンゴ
「……………ずっと私の事をそう思っていたんですか?」
「はい。その通りです。
私も秋山代理は大嫌いで、私の事も秋山代理は大嫌いだったでしょ?
秋山代理に憎しみを溜めていっても、それは普通なんじゃないでしょうか?」
そう言って嗤う伊織。
その姿を見て、洋子はゾクッとした。
「じゃあ、何故、車がパンクした時、助けたんですか?」
恐る恐る聞くしかなかった。
この一言で、伸介の事を遠回しに触れていた。
心中では、真実を知る事により、ジーエンドを迎えてしまうかもしれない恐怖を感じながらも……
「あっ、パンクね。
あぁ……あれは計算外でしたね。
でも、あのパンク、私が仕掛けたんじゃないですよ?」
「それは分かってます」
「私が犯人じゃないなら、その場限りの優しさなら掛けられますよ。
見ていて放っておく、ここの人達にも呆れてましたからね。
そういうとこはフェアじゃないと面白くないでしょ?
秋山代理は、苛めっ子の様で、実際は嫌われ者の苛められっ子なんですから、同情だって出来ますよ。
それに、片岡伸介にも優しくして貰ったんですよね?」
「……えっ、それは…………」