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禁断の果実に口づけを
第28章 毒リンゴ
「川端さん。
私も自分なりに反省もしたんです。
自分がしていた事がどれだけ愚かな事だったか……
今まで本当に申し訳ありませんでした」
洋子は伊織に頭を下げた。
「今度はどんな危機に見舞われたんですか?
人には今更って事もあると思うんですよ。
目に見える事も見えない事も、自分の行い次第じゃないでしょうか?
悪い事はいずれ表に出てきて苦しくになりますからねー
でも、秋山代理には最後まであのまんまでいて欲しかったなー
人間って、何か支え的なものがあると変わるんですね?
あんなに捻くれていた秋山代理にどんな魔法がかかったんでしょう?」
まるで面白いものを目の前で見ている様に伊織はケラケラと嗤った。
「今更かもしれませんが、本当にすみませんでした」
洋子は歯を食いしばり、ひたすら伊織に謝っていた。
「私にいくら謝っても、変わらないものは変わりませんよ?
私は今も秋山代理が大嫌いです!
それに秋山代理も私が大嫌いでしょ?
良心の呵責だとか自分可愛さで頭だけ下げるのは辞めて貰えます?
虫唾が走りますよ」
「私は……そんなつもりでは謝ったわけではありません」
「そんなに伸ちゃんが好きなんですか?
私に頭を下げてまでその恋を守りたいとか?」
「片岡さんの事は関係ないんじゃないかしら?
でも、私がしてきた事は反省してます。
本当にごめんなさい」
これ以上、自分が砕けてしまうであろう言葉を川端伊織の口から聞くのが怖くなった。