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禁断の果実に口づけを
第29章 三日天下

 柿沼所長も営業所に戻り、はしゃぐ北原晴美を憐れむ様な視線で見ていた。

 いずれ、この所長も営業所を飛ばされるんだろうな…。
噂では子供にとって教育上環境の良い場所にマンションを買ったばかりたと聞いていた。
元々地方出身者で、東京本社勤務を希望していたはずなのに、今回の事で地方に飛ばされる事も大いに有り得る。
多分、営業所に真っ直ぐ帰る気になれず、北原晴美に告げる言葉を考えながら、外で昼食を済ませたんだろう。
勿論、自分の行く末を案ずる方が先だったろうが…。

 私は否定しない。
どんな業務に回されてもいい。
だけど、伸介と離れ離れになるような土地に飛ばされるのを怖れている。
情けない話、今すぐ営業所員みんなに詫びを入れて許してもらえるなら何度でも頭を下げる。
そこにプライドもへったくりもない。

 心の支えである、片岡伸介と離れ離れになる方が嫌だった。


 「北原さん、契約書を上げてから応接室に来て下さい」

 「はい」


 『まだ、気づいてない。
契約書を上げる時って、嬉しくてテンション上がるものね…。
多分、北原リーダーの笑顔を見るのも最後。
私の車のタイヤ傷つけたんだっけ……
でも、そのお陰で伸介に出会えた。
もう、自分の中では終わった事なんだけどな……』


 そんな事を思いながら、やるせない気持ちになる洋子。


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