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禁断の果実に口づけを
第30章 ビターなあいつが恋しくて……
「大丈夫です。また日を改めます…」
「わざわざ渡しにきたんですよね?
なら、私が渡しておきますよ。
まだ分からないんですか?
これ以上、伸ちゃんと関わって欲しくないんです!」
「えっ…」
伊織と揉み合っている間に、洋子は手元から紙袋を落としてまう。
一番上に乗せたケーキをラッピングした箱が【パタン】と音を立てて袋から飛び出た。
「あらら……大変!
折角のお土産が落ちちゃいましたねー
突然、秋山代理が手を離すからですよ。
それにしても、可愛くラッピングしたんですね!
バレンタイン真近ですものね!
中身は手作りなんですか?
秋山代理のイメージじゃないですね?
怖い顔で怒鳴り散らしていた人がお菓子作りなんて、信じられなーい!
やっぱり恋すると変わるんですね!
でも、よく考えてみて下さいよ?
目に映ったものでしか判断できなくて、平気で人を傷つけて、やる気もむしり取って脅かすような女の本性を見抜けないとでも思ってる?
伸ちゃんにあなたなんて似合わない!
月とスッポンよ!
図々しいんじゃない?
今更健気な女を演じちゃってさー
それとも、伸ちゃんと隷属関係でも結びましたか?」