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禁断の果実に口づけを
第30章 ビターなあいつが恋しくて……


 洋子は屈んで、落としてしまったプレゼントの箱を無言で拾った。
多分、中身はグチャグチャに崩れてしまった事だろう……。

 「大丈夫ですかー?」
馬鹿にする様な冷たい伊織の声が頭上で響いていた。
泣きそうになった。
でも、この女の前では泣かない。
どんなに屈辱的になろうとも、この女も私の前で泣かなかったのだから……。

 「……大丈夫です。
突然、失礼しました。
連絡くらいしてから来るべきでした」

 「いいえー
こちらこそ、なんのお構いもしませんで。
帰ったら伝えておきます。
折角ですから、バレンタインの贈り物渡しておきましょうか?
渡す寸前で落とした事も伝えますよ。
一生懸命作ったんですよね?
落としたのは結果論ですものね?

 私は、あなたに毎回注意される度、気をつけよう、気をつけようとしたんですよ。
でも、そうすればする程、追い詰めていった。
あなたに怒鳴られてばかりで、気持ちがスッカリ萎縮してしまい、あなたに怒られるのが苦痛で恐怖でした。
言訳にしかなりませんが、あなたの威圧感を感じる度にミスを繰り返した。

 あなたの指導は、人を傷つけるんですよ!
なのに、いつも私の前で完璧な人間を気取った。
いくら仕事は出来ても、毒を撒き散らして怒鳴る人って下品ですよね!
私からは家畜以下にしか見えませんでしたよ。
秋山代理、その意味が分かります?
家畜なら肉になって命を捧げ、人間に貢献するんですよ。
あっ、それとも、好きになった男には貢献しょうとしたんですか?
今までの自分をしらばっくれてでも?」


 「……本当にどうも失礼しました!」

 悔しさで唇が震えた。

 洋子は持ってきた紙袋を持ち、伊織に背を向け歩き出す。
涙は崩壊寸前だった。
見せない!泣き顔だけは絶対に!!
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