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禁断の果実に口づけを
第31章 微睡みの中
「私の事、何でも構いませんので教えて頂けますか?」
「……秋山代理は仕事の上司でした。
プライベートでは一切お付き合いはありません。
ただ、事故の日は、秋山代理は私のイトコの片岡伸介を訪ねてきました。
偶然、私もそこに居合わせたんです。
伸ちゃんはたまたま留守でした。
私の結婚が決まって、婚約者と伸ちゃんの家でお祝いする事になったんです。
伸ちゃんは、私の彼とデパートにお酒の買いに出しに行ってました。
私は留守番しながら、ツマミを作っていたんです。
そんな時に秋山代理がいらっしゃって……」
「あら、川端さんご結婚されるの?」
「はい。
四月に彼が関西に転勤になったんで、私もついてゆく事にしたんです」
「ごめんなさいね……。
そんなお祝いをされている時に、私があんな事になって……」
「いえ……」
「私はその片岡さんって方に何の用事があったんですかね?」
「伸ちゃんの事も覚えてないんですね……」
「はい。
何故、川端さんのイトコの片岡さんを私が知っているのかさえも分からないんです」
「……そうなんですね。
私も秋山代理と伸ちゃんがどの様な関係なのかは詳しくは分かりません。
きっかけは、秋山代理の車が会社でパンクした時に修理をしたのが伸ちゃんでした。
伸ちゃんを紹介したのは私なんですか……
伸ちゃん、秋山代理が病院に運ばれた時、物凄く心配してました。
多分、そういう関係なんじゃないかとは思います……」