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禁断の果実に口づけを
第1章 秋山洋子
「ーー本当にーーまだまだあなたのお給料は、あなたの実力じゃなく、会社が規定に添ったものを支払っているに過ぎないのよ!
あなたが会社に貢献する程の成績が取れているならまだしも‥‥
そうじゃないよね!?
ねぇ?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
伊織は言い返す事すら出来ない事実を突きつけられる。
確かに成績は良くない。
まだ研修が終わったばかりの新人。
新規開拓と言っても、今月は親戚の叔母に頼んで保険に入って貰っていた。
「秋山代理!
申し訳ありません……
川端さんには私からも指導しますので‥‥」
見かねた倉橋朋子が助け船を出す。
朋子は伊織をこの仕事に誘った先輩でもある。
「あっ、倉橋さん‥‥
もうね、同じミスしない様にして貰える?
川端さんだけなんだよね…
こういうミスが多いの!」
まだまだ伊織に言い足りない洋子。
割って入ってきた朋子も気にくわない。
それでも朋子は営業所でも常にトップクラスの成績を上げていた。
朋子の機嫌を損ねる訳にはいかない。
「分かりましたから!!」
一方の朋子も、そんな洋子の態度が気に入らない。
洋子を威嚇する言葉で立ち向かう。