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禁断の果実に口づけを
第36章 恋が教えてくれたこと
激しい夜は、私の心やカラダに潤いを与え、心地良い倦怠感を残し、眠りにつかせた。
満足感を噛み締めて、シアワセな時間(とき)の中で………
朝、あなたに起こされて、ハッとして目が覚めた。
あなたはクスっと笑い、「朝飯運ばれる前に服に着替えろよ」って言ったね。
裸の私は恥ずかしくなった。
恥じらうように着るものをバッグから取り出し、あなたに背を向けて隠れるように着替えた。
あなたは私に気を遣い、テレビから流れるニュースを見ていた。
洗面台でも化粧を施し、昨夜の激しさを取り繕うかのようにいつもの顔に仕上げる。
「今日も天気いいな」
「えぇ」
「少し観光していくか」
そんな優しい言葉を掛けてくれた。
運ばれた朝食を食べ、支度をして宿を出る。
女将に昨日の浴衣のお礼を言った。
「女将、蛍綺麗だったよ。
粋な計らいだな。
浴衣で蛍なんて。
楽しい夜になった」
伸介も女将にお礼を言う。
「有難うございます。
お客様に喜んで頂ける事を考えるのは楽しいですね。
そう言って頂けて光栄です」
と丁寧なお礼を言った。
こんな女性は素敵だ。
感謝の気持ちをそのままの言葉で伝え、相手に心地良さを与える。
さすがだよね。
素敵な思い出を有難う御座いました。