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禁断の果実に口づけを
第37章 生きていかなきゃ
丁度、赴任した時期が祇園祭の時期と重なり、洋子の歓迎会は祭り見物を兼ねての席が設けられた。
老舗の天麩羅屋さんで、お酒を飲みながら美味しい料理を頂く。
洋子は挨拶しながら、皆にお酌して回った。
本来、こういう付き合いの席は苦手な洋子だが、祭りという雰囲気も手伝って愉しむ事が出来た。
賑やかな掛け声やお囃子の音が聴こえて外に出てみると、目の前を日本武尊や大国主命などの人形を乗せた山車(だし)が通る。
それを近くで見て、その迫力に感激したりもした。
この日は伸介がプレゼントしてくれた浴衣を着て参加した。
一緒に祭り見物をしている気分になれた。
約束を一つ守れたと嬉しくもなる。