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禁断の果実に口づけを
第37章 生きていかなきゃ

 お昼時に社内に居る時は、ランチを社内で取ったりもした。
事務員の池田美紗緒(いけだみさお)は持ってきた胡瓜の糠漬けを振る舞ってくれたり、たまに部長の水沢が部下達に労いを兼ねて出前を取ってご馳走してくれたりもした。
それもあってか、仕事仲間達との交流も次第に増えていく。


 洋子自身も、出張や研修に出掛けたりすると、皆(仕事仲間)のおやつの心配までする様になった。
キオスクで名物お菓子などを見て、お土産に買って帰ったりもした。


 いつしか……
人に喜ばれる事がしたい。
笑顔を見たいと思うようになっていった。

 普段キツイ仕事をしているのだから、せめて笑う時間や癒やされる時間を作らないと潰れてしまう。
そんな時間を皆と過ごしたいと心掛けるだけで、優しい気持ちにもなれた。



 『馬鹿だね。
何で今まで気づけなかったの?
本当、お馬鹿だね』

 そんな風に思える洋子だった。
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