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禁断の果実に口づけを
第38章 素


 青田は、洋子より一回り年上の落ち着気をみせ、紳士的な態度で接してくれた。
会う度に洋子はリラックスしていった。

 軍資金五千円で、負けたらそこで辞めのルールの元で一円パチンコを打って遊んだりもした。
子供の頃にテレビで見ていた懐かしいアニメの台に座り、青田のアドバイスを受けて、その通りに打ってみた。
中々上手く入らない。
その台に四千円も注ぎ込んだ時は、イライラもしたし、つまらないとムッともしたが、最後の千円を入れて打ち始めたら、キュンキュンと機械音が軽快に鳴り始め、台が回り始めて当たりを引いた。
七七七という縁起の良い数字が揃い、パチンコ台が光った。
アニメの主題歌が流れて盛り上がる。
玉が溢れてくる。
ドーパミン分泌!
超気持ちいい!
めちゃくちゃ面白い!!
夢中になり過ぎて、主題歌口づさんだりして、いい気分で高揚していった。



 「洋子さんやったじゃん!」

 隣の台の青田がニコニコしながら声を掛けた。

 「やりましたー!!」

 洋子も台のレバーを握りながら上機嫌。

 こんな風にはしゃいだのはどれくらいぶりだろうか……?
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