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禁断の果実に口づけを
第39章 愛

 祭りがフィナーレを迎え、青田が洋子を川沿いを歩きながら家まで送り届ける。
熱気の後が所々に見受けられた。

 楽しい事が終わると、その楽しい分が大きければ大きい程、寂しさも増す。
うまい具合に比例するものだと思った。

 数分歩けば家に辿り着く。
当たり前だけど、握った手も離さなきゃいけない。


 「山車が勢揃いすると迫力ありますよね!」

 「はい」

 「この街に住んで良かったって思うんですよ。
古き良き時代のものが現在にも引き継がれていて、街の人達が一丸となって、その伝統を守ろうとする。
中々……そういうものに巡り合えないじゃないですか」

「そうですよね。私もこの街に住んで良かったって思いますよ」

「はい。
でも、一番は洋子さんに出会えた事かな」

「本気にしてもいいの?」

「えっ?」

「自分に自信がないの。
だから、つい聞いてしまう。
本気にしてもいいのか。
本気で飛び込んでもいいのか……」

 グッと引き寄せられて抱きしめられる。
 


 
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