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禁断の果実に口づけを
第41章 洋子

 娘の爆弾発言に焦り、急に父親の顔になる卯月を見て、微笑ましいと思った。
そんな二人の姿を笑顔で見ていた洋子。
 


 「気を悪くしたらごめんなさいね、洋子さん。
笑った顔が死んだママに似てるんです。
そんな洋子さんだから、パパも惚れちゃったのかなって…」

 「えっ、そうなの?」  

 「えぇ。ママが笑ってるみたい。
不思議ですね。
そんな洋子さんだから上手くやっていけそうな気がします」

 少し涙ぐむ満月を見て、嘘じゃないのだと思った。
亡くなった奥様の面影を私に重ねたのね……

 「洋子は洋子だよ」

 満月に見えない様に、テーブルの下から私の手をそっと握る卯月さん。

 「満月さん。
私では、満月さんのお母さんとしては役不足だと思う。
でも、満月さんと仲良く出来たらって思うわ。
どうか家族になって下さい。
宜しくお願いします」

 「私も洋子さんと家族になって、仲良く出来たらって思います。
こちらこそ、宜しくお願いします。
あっ!ワインで乾杯しちゃう?
パパの奢りだし!
洋子さんは赤好き?」


 「大好き」



✾✾✾


 家族に祝福されて結婚が決まりました。
隣には愛する人が居ます。 
こんな可愛い娘も出来ました。
欲しいものが一気に手に入りました。

 この幸せが待っていたから、別れもあった。
無駄な事なんて、人生にはないもんなんだね……


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