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禁断の果実に口づけを
第41章 洋子
「えっ!嘘!」
「どうしたの?みーちゃん(満月の愛称)」
満月が見ていたのは、新聞社各社とスポーツ新聞などが置いてある新聞掛け。
「高瀬まひる芸能界引退宣言 結婚秒読みですって!」
「あら………」
満月はスポーツ誌を持って来て、洋子の隣に腰掛けた。
「あん、もう、ファンだったのにな……」
「私もよ」
「へぇー!!お母さんも」
「うんうん。いい演技するから」
満月は記事を読み出す。
「お相手は片岡モータースの御曹司で次期社長で……
学生時代から付き合っていて、高瀬まひるが芸能界入りして一旦別れて、去年の夏、偶然の再会からまた付き合う様になったみたい。
『彼との人生を歩む事にしました。
一度は諦め、手放した恋です。
でも、忘れる事が出来ませんでした。
大切なものが何かを教えてくれた恋です。
もう、二度と手放しません。
不器用な私は、妻と女優の両立は出来そうにありませんので、今年いっぱいで引退させて頂きます。
今迄、応援して頂き、有難う御座いました』
だってさーー
あぁ〜残念。
あっ!!結婚相手のスクープ写真も載ってる。
一般人だから目のとこ隠してあるけどイケメンぽいよ!
ほら、お母さん」
はしゃぎながら満月が見せた新聞記事。
『本当は良く知ってる人なんだ。
背が高くてがっちりしていて、隠された目は鋭いの。
でも、笑った顔は無邪気な少年みたいに爽やかなんだ。
高そうなスーツがだいぶ似合う様になったね。
あっ!! 腕時計………
まだ大事にしてくれていたのね。
もっと高級なのにしなさいよ……バカ』
「お母さんもショック?」
「うううん。幸せになって欲しい。
ファンだから」
「だよね。
あっ、さすがお母さん。
結も寝てくれた〜」
「天使ね。
二人とも可愛い寝顔」