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禁断の果実に口づけを
第9章 デキる女ー倉橋朋子の秘密
ーー私はただ都合よく抱かれるだけの愛人に成り下がるつもりもないわ。
抱かれるなら、ちゃんと自分の利益も考える。
トップを維持していくには、知恵も必要なのよ。
保険が売れない時代にどう売ってゆくのかを考えられない女は、所詮負け組。
知識もなければ、人の気持ちも動かないわ。
「考えておいてよ!
面倒臭がらずに。
死亡保険はあなたには入らないの。
でも、生きてる間にいかに自分の財産を増やして守るかは、資産運用次第なのよ!
健さん」
「じゃあ、朋子のその提案は前向きに考えるとしょう。
この後も俺を満足させてくれたらね」
「そういう言い方は嫌いだわ。
私はあなたに得をして貰う提案をしたまでよ!」
駆け引きは強く出ないと、そこいらの尻軽女と変わらなくなる。
「怒るなよ。
朋子!
知恵のある女は嫌いじゃない。
そんな女だから会う価値がある」
「頭が良くて、野心家で仕事の出来る男は格好良いわ…
ねっ、健さん」
「仕方ないな…
明日以降にその提案書とやらを届けて」
「有難う、健さん!
今月中に検討してね!」
ジャグジーの中で裸で抱き合い、唇を交わし合う二人。
抱き寄せられて、安堵の笑みを浮かべる朋子。
『一件のアポでも、有効な見込みはこういうやり取りで導くのよ!
成功するには、女という武器も必要なのよ!』