この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
陽炎ーもうひとつの物語ー
第3章 三人
そんなある日。
「なぁ、市サン。」
鷺が話しかけてきた。
「八尋ってさ、どっか怪我とかしてる?」
「いや?してねぇと思うぞ?」
「そっか…じゃ見えないトコなのかな…」
とぽつりと呟いたのが気になった。
「何でそんなこと聞くんだよ?」
「んん〜、あいつさ、最近風呂はいってないみたいなんだよね。」
なんて言うもんだから、
「何でわかんだよ?」
と聞いてみた。
今のアジトは風呂がある。
毎日沸かすわけでもないが、湯を張った日は順番に入った。
「俺の部屋、一番風呂に近いからさ、わかるんだけど、アイツが入った後湯を流す音が聞こえないんだよね。汗のにおいはしないから、多分身体拭くくらいはしてるんだろうけど。で、怪我でもしてんのかな、と思っただけ。」
俺は嫌な予感がした。
「俺が風呂の音聞こえてるなんて言ったら角が立つからさ、市サンからそれとなく聞いてみちゃくれないかな?」
「あぁ、そうだな…」
その夜。
八尋が風呂から出てくるのを待って、俺は自分の部屋へ連れていった。
「頭領?」
ぐいと腕を引っ張ると、八尋は素直についてくる。
「お前、俺に隠してるこたねぇか?」
「何ですいきなり。そんなことありませんよ。」
俺は八尋の寝間着をぐいと脱がせた。
案の定。
上だけも肩、背中、二の腕に青々とした痣がある。
擦り傷の他に火傷の跡のようなのもあった。
俺ははぁっと溜息を吐く。
「なぁ、市サン。」
鷺が話しかけてきた。
「八尋ってさ、どっか怪我とかしてる?」
「いや?してねぇと思うぞ?」
「そっか…じゃ見えないトコなのかな…」
とぽつりと呟いたのが気になった。
「何でそんなこと聞くんだよ?」
「んん〜、あいつさ、最近風呂はいってないみたいなんだよね。」
なんて言うもんだから、
「何でわかんだよ?」
と聞いてみた。
今のアジトは風呂がある。
毎日沸かすわけでもないが、湯を張った日は順番に入った。
「俺の部屋、一番風呂に近いからさ、わかるんだけど、アイツが入った後湯を流す音が聞こえないんだよね。汗のにおいはしないから、多分身体拭くくらいはしてるんだろうけど。で、怪我でもしてんのかな、と思っただけ。」
俺は嫌な予感がした。
「俺が風呂の音聞こえてるなんて言ったら角が立つからさ、市サンからそれとなく聞いてみちゃくれないかな?」
「あぁ、そうだな…」
その夜。
八尋が風呂から出てくるのを待って、俺は自分の部屋へ連れていった。
「頭領?」
ぐいと腕を引っ張ると、八尋は素直についてくる。
「お前、俺に隠してるこたねぇか?」
「何ですいきなり。そんなことありませんよ。」
俺は八尋の寝間着をぐいと脱がせた。
案の定。
上だけも肩、背中、二の腕に青々とした痣がある。
擦り傷の他に火傷の跡のようなのもあった。
俺ははぁっと溜息を吐く。